「成田射撃場集合時間午前5時30分」誰もが耳を疑う早さ。「ウェー、何でそんなに早いの?」でもこれがあとで大きく利きました。当日の天気は雨。しかも朝5時にはザアザア降り。この中、台東区の各射手の面々は黙々と支部対抗射撃会で選手が身体を休めるテント村の設営をしています。ここでみんなで楽しくおしゃべりをしながらお互いの射撃について話し合ったり、団体戦の緊張を少しでも和らげる大きな効果があります。さらに雨の日は車から外に出ると濡れて選手のコンディションを崩す心配もあります。さらに浅草、下谷、谷中、蔵前の各支部からもお互いに差し入れが届き、みんなの交流の場にもなります。朝6時過ぎには臨戦態勢は整いました。
さて昨年準優勝に甘んじた悔しさをここで晴らすべく、3回の予選を勝ち抜いた上野支部の選手団、監督の廣瀬副会長、一番手大原正人選手、鈴木健一選手、菅野 朗選手、そしてアンカーを務める周東支部長。今回は監督が足を怪我しており、なかなか目が届きませんので助監督に菊地彰雄氏とテント村の村長に渡辺嘉三氏。村長はみんなの気持ちを和ませてくれるオーラを大きなおなかに輝かせています。まさにそうそうたる顔ぶれです。
試合は序盤から猛然と突っ走る小岩支部を昨年優勝の荏原支部、上野支部、さらには小松川支部、葛西支部が追う展開になりました。そして最後の最後でやっと小岩支部に追いつき、上野支部が244点で同点ながらトラップ、スキートの合計点で上回り2年ぶり3度目の優勝を勝ち取りました。
最後の10mトラップで周東支部長は満点。これで追いつきました。なんと助監督は「ギリギリですね」と支部長に耳打ち、本当ならこの一番緊張する場面でスコアを口にしてはいけない、というのが鉄則なのですが何ともしたたかな助監督ですがそれに応えた支部長も見事でした。
上野支部が最初に優勝したのが第56回、2回目は第58回、そして今回。その間の第57、59回は荏原支部が優勝しています。勝負は時の運、いつもうまくいくとは限りません。なかなか連覇は難しいものです。来年は「打倒上野」に燃えて来るチームもあるでしょう。こちらも気持ちを引き締めなおしてお互い射技を磨いてさらにレベルアップして是非連覇を狙いましょう。