猟友会員の皆さんと共に
私たち都会の猟友会に所属している会員は、地域に会があり狩猟者登録や返納事務に便利だから、あるいは先輩に紹介されたから等、理由はいくつかあると思います。
狩猟人口が年々減少している現状を考えます時、これからの猟友会のあるべき姿を今一度考える必要があることは、会員の誰しもが感ずるところと思います。
自分の場合は、祖父の代からの鉄砲撃ちで、私で三代目になります。
実際祖父といっしょに猟はしませんでしたが、父親とは9歳ぐらいから東京近郊の山野へ同行し、猟犬代わりに勢子をしたり、獲物を回収したり田んぼのぬかるみにはまりひどい思いも数知れず体験しました。
自分で猟をやるようになって多くの猟場に行き狩猟経験も35年になりますが、なぜか父親と猟に行ったあの頃が思い出されてなりません。
山野を歩き、くたびれてあぜ道でおむすびを食べていると農家の人が家に来てお茶でもどうかねと誘ってくれ、お邪魔して縁側に腰をかけ、出されたお茶を飲んでいますと、おしんこを初め、心のこもったおもてなしをいただき、雉の着き場まで教えてくれ、尚かつ案内までしていただき、獲物を逃して慰められている父の様子など、今も思い出しては一人にっこりしている自分に気づくことがあります。
私も、ポインター、セターと鳥犬を幼犬から訓練し、うずら、雉、山鳥、コジュケイ、鴨などいろいろな猟をしました。先輩、仲間にも恵まれ現在に至っておりますが、実際ここ25年は鳥犬は友人に譲り大物猟を行っております。猟にはいろいろな要素があり一概に言い表せない部分があり、それなりに奥が深いと思います。
現在の猟野はいかがでしょうか。
狩猟と農林行政、環境行政の関係も深いものがあり、例えば、狩猟が3年から4年行われなかった場合の農業、林業、水産業に及ぼす影響は甚大なものになるとある先輩からお聞きした事があります。そういう面からも会員の皆さんには、猟場に出かけられる際、そういう思いを胸に秘め地元の人との交流を深めていただきたく、けっして非難されるような行動は慎まなければなりません。
昔から、猟の条件として、一、犬 二、足 三、鉄砲と言われておりますが、これらの条件のなかで、犬を訓練し、又、足腰を鍛えることも安全狩猟には大切なことですが、とりわけ銃に関するトレーニングは一人ではおぼつかない面があり、おろそかになりがちです。幸い当会には射撃に関しても、クレー射撃(トラップ、スキィート、フィールド)・ライフル射撃・スラッグ射撃の指導的立場のかたが大勢おります。
上野猟友会は、新しく入会される方はもとより、多くの会員のご協力とご理解のもと、安全狩猟、安全射撃を合言葉に、年齢や経験、地域の垣根を越えた交流を行い、狩猟、射撃をされる多くの仲間と狩猟行政の発展に努めてまいる所存です。
今後とも宜しく御願い申し上げます。
2003/4/17 東京都猟友会上野支部長 周東健二